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ストレーナの選定ポイント徹底解説|選定の流れ・よくある失敗例とその対策

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 製造設備や配管ラインでは、流体中に混入する夾雑物が原因で、装置の故障や製品不良が発生することがあります。こうしたトラブルを未然に防ぐために導入されるのが「ストレーナ(strainer)」です。
 ストレーナは、流体から夾雑物を除去するろ過装置であり、一見シンプルな構造に見えても、選定を誤ると圧力損失の増大や頻繁な目詰まり、スクリーンの破損などの問題を引き起こす可能性があります。その結果、かえってメンテナンス負荷が高まり、安定稼働に支障をきたす恐れがあります。

 近年は、高性能設備への対応、省スペース設計、保守の効率化など、ストレーナに求められる要件がますます複雑化しています。そのため、用途や使用環境に応じた適切な種類・仕様を選定することが、これまで以上に重要になっています。

 本記事では、ストレーナの基本的な役割と導入効果をはじめ、選定プロセス・確認すべきポイント・よくある失敗例とその対策までをわかりやすく解説します。
 ストレーナの導入や見直しを検討されている設備担当・設計・保全の技術者の方は、ぜひ本記事をお役立てください。

目次:
<1> ストレーナの導入効果
<2> ストレーナ選定の基本的な流れ
<3> ストレーナ選定時に確認すべき5つのポイント
<4> よくある失敗例と弊社の対応
<5> 弊社の強み:現場仕様に最適化された提案力

 

<1> ストレーナの導入効果

 ストレーナとは、流体中に含まれる夾雑物を物理的に捕捉・除去するための「ろ過装置」です。単に夾雑物を取り除くだけでなく、設備全体の安定稼働や製品品質の維持に大きく貢献します。
 導入によって得られる主な効果は、以下の3点にまとめられます。

(1) 機器や設備の保護

 ストレーナは、ポンプ・バルブ・熱交換器などの機器に夾雑物が流入するのを防ぎます。これにより、摩耗や詰まりによる故障リスクを低減し、機器寿命の延伸や保守コストの削減につながります。

(2) 製品品質の向上

 製造工程中に夾雑物が混入すると、製品の外観不良や安全性の低下を引き起こすことがあります。ストレーナにより不純物の混入を防ぐことで、品質トラブルを回避し、最終製品の安定供給が可能になります。特に食品・医薬品・化学製品など、高い品質管理が求められる分野では欠かせない装置です。

(3) 作業効率と生産性の向上

 夾雑物混入によるトラブルが減少することで、生産ラインの停止リスクが低下し、稼働率の向上に寄与します。加えて、清掃や点検の頻度も抑えられるため、メンテナンス作業の負担軽減にもつながります。

 ストレーナは単なる配管部品ではなく、使用環境や運転条件を踏まえて仕様を選定する必要がある重要な設備機器です。次章では、ストレーナ選定の基本的な流れについて詳しく解説していきます。

 

<2> ストレーナ選定の基本的な流れ

 ストレーナを導入する際は、製品カタログから型式を選ぶのではなく、使用目的や現場条件を整理した上で、必要な仕様を一つひとつ確認しながら絞り込むことが重要です。
 以下に、ストレーナ選定の基本的な流れを6つのステップに分けて解説します。

(1) 使用目的・ろ過対象の明確化

 まずは、なぜストレーナを導入するのか、どのような夾雑物を取り除きたいのかを明確にします。
 ● 使用目的(機器保護、製品品質の確保、夾雑物混入防止 など)
 ● 使用状況(テンポラリー、パーマネント)
 ● ろ過対象物の種類(スケール、金属片、繊維、スラッジ など)
 ● 許容される夾雑物のサイズと量(ろ過精度の目安となる)
 この段階で、スクリーンの目開きや材質を考える土台ができます。

(2) 流体条件・運転条件の把握

 ストレーナは使用される流体の性質に大きく影響を受けます。誤った仕様選定は、目詰まりやスクリーン破損の原因になります。
 ● 流体の種類(海水、冷却水、油、薬液など)
 ● 流体の性状(温度、粘度、腐食性など)
 ● 設計圧力・使用圧力
 ● 設計(運転)流量

(3) ろ過精度とスクリーン仕様の選定

 ろ過精度は、「細かければよい」というものではありません。必要以上に精度を上げると目詰まりが頻発します。
 ● スクリーンの構造(金網、パンチング、ウェッジワイヤー、複合構造など)
 ● スクリーンの材質(SUS304、SUS316、樹脂など)
 ● ろ過精度(メッシュ、μm単位)

(4) 型式・構造の選定

 ろ過精度と清掃頻度、圧力損失、設置スペースのバランスを考慮して、適した構造を選びます。
 ● Y形/T形/バケット形など
 ● 一次側・二次側の接続方向
 ● 洗浄機能付きの必要性
 ● 材質(鉄、ステンレス、樹脂 など)

(5) 設置スペースと保守性の確認

 選定した型式が、実際に現場に設置可能かどうかを確認します。ここを怠ると「入らない」「メンテナンスできない」などの問題が起きます。
 ● スクリーンの取り外し方向と必要なスペース
 ● 配管レイアウト(ストレート配管の有無、設置姿勢)
 ● 作業性(点検・清掃の利便性)
 配管経路によっては、標準品が取り付けられない場合もあります。その場合は、設置環境に合わせた特注品の設計が有効です。

(6) 仕様書の作成・見積依頼

 以上の項目を整理した上で、メーカーや商社に相談・見積依頼を行います。用途や使用条件が明確になっていると、適切な提案が得られやすくなります。
 ストレーナ選定には「技術的根拠に基づいた段階的な判断」が必要です。次章では、各ステップで特に注意すべきポイントを詳しく解説します。

 

<3> ストレーナ選定時に確認すべき5つのポイント

 この章では、選定時に必ず押さえておきたいポイントを整理します。

(1) ろ過対象物の性状と分布を把握できているか

 ● 固形か?スラリー状か?(形状・硬度・比重)
 ● テンポラリー使用(短期)か?パーマネント使用(常設)?
 粘性があるものや溶解性の成分が含まれる場合は、通常より広い捕集面積が必要です。夾雑物を考慮した構造が必要になります。

(2) ろ過精度と目詰まりリスクのバランスは取れているか

 ● 目開きサイズが細かすぎると、すぐに詰まってしまう
 ● 精度を上げるなら、自動洗浄式や二段構えの構成も検討
 ● “本当に必要な精度”かどうか、現場の要求と再確認
 ろ過精度を高くすればするほど、流量制限や圧損が発生しやすくなります。実際の運用条件とのバランスを見ながら選定することが大切です。

(3) 流量・圧力損失のシミュレーションを行ったか

 ● 過剰な圧損によりポンプ負荷増加、エネルギー消費が上昇
 ● スクリーンの目詰まりによって想定以上の圧損が発生することも
 定常時と目詰まり時、両方の圧損を想定して、余裕のある設計が必要です。

(4) 清掃頻度・メンテナンス工数は現実的か

 ● 頻繁なメンテナンスが必要な構造で、現場対応できるか?
 ● 清掃のたびにライン停止が必要ではないか?
 ● 作業スペースや姿勢が現場に合っているか?
 ランニングコストや人手不足も視野に入れ、「清掃のしやすさ」は非常に重要な判断軸です。

 設備のレイアウトや配管経路によっては、標準品が取り付けられない場合もあります。その場合は、設置環境に合わせた特注品の設計が有効です。

(5) 設置場所に適した型式・姿勢になっているか

 ● スクリーンの抜き取り方向が、障害物と干渉しないか?
 ● エルボ直後・分岐直後など、乱流発生箇所を避けているか?
 ● 配管計画時にストレーナの設置スペースを確保できているか?
 設置場所に制約が多い場合は、カスタマイズや設計相談が必要なこともあります。

<4> よくある失敗例と弊社の対応

 ストレーナの選定や設置では、些細な見落としが大きなトラブルに発展することがあります。以下では、実務現場で実際に起きがちな失敗とその対策をご紹介します。

❌ 失敗例①:目開きが細かすぎて頻繁に目詰まり

 【原因】粒子径に対して過剰なろ過精度を設定した結果、スクリーンが短期間で目詰まりし、頻繁な清掃が必要に。
 【影響】
 ・圧力損失の増加
 ・流量不足による装置停止
 ・メンテナンス工数の増大
 【弊社の対応】
 ・粒度分布データに基づく適正ろ過精度を選定
 ・面積比の拡大による捕集容量の確保
 ・テスト機貸出しで適正ろ過精度の確認

❌ 失敗例②:差圧管理が不十分でスクリーンが破損

 【原因】ストレーナ前後の差圧を監視せず、清掃タイミングを逸したことで、スクリーンに過大な負荷がかかり破損。
 【影響】
 ・夾雑物が後流側に流出し、ポンプやバルブが損傷
 ・生産停止や製品不良の発生
 【弊社の対応】
 ・差圧監視の推奨(圧力計の設置)
 ・耐差圧強度の高い補強スクリーンの提案
 ・流体解析による共振・偏流の検証と対策設計

❌ 失敗例③:設置スペース不足でメンテナンス困難

 【原因】主要機器のレイアウト後にストレーナを後付けした結果、スクリーンの抜き取りスペースが確保できず、清掃作業が困難に。
 【影響】
 ・メンテナンス性の低下
 ・作業時間の増加、保全性の悪化
 【弊社の対応】
 ・L型・Y型・特殊フランジ形状など、設置環境に応じたカスタマイズ設計
 ・ヒンジ付きカバーや一点締め構造による作業性向上
 ・設計段階からの現場ヒアリングと図面提案

❌ 失敗例④:スクリーンの振動破損(ハタメキ現象)

 【原因】高流速・高差圧条件下で、スクリーンやパンチングプレートが共振し、金属疲労による破損が発生。
 【影響】
 ・スクリーンの破損
 ・夾雑物流出による後流機器の損傷
 【弊社の対応】
 ・流速・差圧条件の事前確認
 ・振動対策設計(補強構造、材質変更)

<5> 弊社の強み:現場仕様に最適化された提案力

 実際の現場では「流体が特殊」「設置スペースが限られている」「複数ラインで共通化したい」など、カタログスペックだけでは判断しきれない課題がつきものです。
 そこで私たちは、お客様の現場仕様・課題に応じて最適なストレーナをご提案するカスタム対応力と提案力に強みを持っています。粗ろ過から微細ろ過、ライン条件や流体特性に合わせた設計変更、さらにはテスト機の貸出による事前検証まで、豊富な実績とノウハウでサポートいたします。

 ストレーナの導入や既存設備の見直しをご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。現場仕様に最適化したご提案で、課題解決を全力でサポートいたします。

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