カートリッジフィルター詰まりのトラブル 原因と対策
フィルターがすぐ詰まる、差圧が急上昇する、交換コストがかさむ
――その原因、実はフィルター選定の問題かもしれません。
✖ 交換しても2週間で詰まる ✖ 差圧が急激に上がる
✖ フィルター代がかかりすぎている ✖ メンテが追いつかない
目次:
<1> 詰まりの症状チェックリスト
<2> 早期詰まりの6大原因
<3> 原因別の対策と解決策
<4> フィルター再選定のポイント
<5> 交換コストを下げる3つの方法
<6> 自社工場でのカスタム対応
<7> よくある質問
<1> 詰まりの症状チェックリスト
まず現状の症状を確認しましょう。複数当てはまる場合はフィルター選定の根本的な見直しのサインです。
☑ 差圧計の値が通常より早く上昇する
☑ フィルター交換から1~2週間で目詰まりが起きる
☑ 交換後すぐに流量・圧力が回復しない
☑ フィルターエレメントが茶色・黒色に変色している
☑ フィルターエレメントが変形・破損している
☑ 月の交換コストが当初の想定を大幅に超えている
☑ 下流側の製品品質が安定しない
<2> 早期詰まりの6大原因
① フィルター精度が細かすぎる
必要なろ過精度のフィルターよりも細かすぎるものを選定すると、除去する必要のない粒子まで捕捉してしまい早期詰まりを引き起こします。
② 汚濁負荷の過小評価
実際の汚濁量・粒子濃度をフィルター設計時に正確に把握できていないと、想定より早く寿命が来ます。
③ プレフィルターがない
1台のフィルターで全ての汚れを捕捉しようとすると、高価なメインフィルターが過負荷になってしまうことがあります。
④ 流速が設計値を超えている
過大流量や脈動でフィルターに設計以上の負荷がかかり、変形・早期劣化を引き起こします。
⑤ 液体との材質不適合
フィルターメディアが処理液体と化学的に適合していない場合、溶解・膨潤・変形が起きます。
⑥ 温度・圧力の変動
起動・停止時の圧力サージや温度変動がフィルターにダメージを与え、寿命を大幅に短縮します。
<3> 原因別の対策と解決策
原因①②の対策:ろ過精度と汚濁負荷の再評価
実際の粒子径・粒子濃度を把握した上で最適な精度のフィルターを再選定します。「とりあえず細かければいい」という選定がコストを押し上げてしまいます。
原因③の対策:2段ろ過システムへの変更
粗いデプスフィルター (プレフィルター) やストレーナーを前段に追加し、大きな粒子を先に捕捉させます。これだけでメインフィルターの寿命が2~5倍に延びるケースが多くあります。初期投資は増えますが総コストは大幅に減少します。
原因④の対策:ハウジングサイズアップ・流速低減
フィルターの有効ろ過面積が不足している場合はハウジングサイズを上げるか、並列設置で流速を下げます。脈動が原因の場合はダンパーやアキュムレーターの設置も有効です。
原因⑤の対策:材質の適合性確認と変更
処理液体の化学組成・pH・溶剤種を確認し、適合する素材 (PTFE・ポリプロピレン・ナイロン等) に変更します。耐薬品性の確認が必要です。(弊社にて選定の際は確認しております。)
原因⑥の対策:バイパス弁・差圧保護の設置
起動時の圧力サージ対策にバイパス弁を設置。差圧計アラームで過大差圧を早期検知し、フィルターの破損を防止します。
<4> フィルター再選定のポイント
| 確認項目 | 確認内容 | よくあるミス |
|---|---|---|
| ろ過精度 | 除去したい粒子の最小径を確認 | 必要以上に細かい精度を選ぶ |
| 流量 | 最大流量での圧力損失を計算 | 実流量にあった設計になっていない |
| 材質 | 耐薬品性の確認 | 水系ならなんでもOKと思い込む |
| 温度 | 最高使用温度での素材強度確認 | 温度条件を度外視でエレメント選定 |
| ろ過の目的 | 理想とする状況の明確化 | なんとなくで設置、目的がぶれている |
<5> 交換コストを下げる3つの方法
方法① プレフィルター追加でメインフィルター寿命を延ばす
月5万円のフィルター代がオートストレーナやプレフィルターの追加で半分以下になったケースが多数あります。プレフィルターのコストは低いため、トータルコストは大幅に改善します。
方法② 差圧管理で「まだ使えるのに交換」をなくす
時間基準の定期交換から差圧管理に切り替えると、フィルター使用可能な期間を最大限活用できます。差圧インジケーター付きハウジングへの変更がお勧めです。
方法③ 再生可能な焼結金属フィルターへの切り替え
使い捨てカートリッジから洗浄再生可能な焼結金属フィルターに変えることで、消耗品コストをほぼゼロにできます。ちなみに、弊社では洗浄サービスも実施しております。
<6> 自社工場でのカスタム対応 大同工機の強み
市販品では解決できないフィルタートラブルも、自社工場での柔軟なハウジング設計・製作や、長年の実績と試験によって蓄積されたデータや、正確な計算に基づいた設計によるフィルターエレメント選定により対応可能です。
加えて、ハウジング・エレメント材質やサイズ等をカスタム設計でき、プレフィルターからファイナルフィルターまでトータルソリューションでご提案します。
<7> よくある質問
Q:フィルターを変えてもすぐ詰まります。どうすればいいですか?
A:現象の原因がフィルターのろ過精度の問題か、流速の問題なのか、その他なのかによって対策が変わります。処理液体の種類・流量・汚濁状況・現在のフィルター仕様等をお知らせいただければ、原因を探し、最適な解決策をご提案します。
Q:プレフィルターを追加したいのですが、既設の配管に後付けできますか?
A:配管スペースと口径条件が合えば後付けは可能です。スペースが限られている場合は小型ハウジング・インライン型を選定します。設置状況をご連絡ください。
Q:他社製フィルターエレメントを使用してのハウジングの製作は可能ですか?
A:製作前にご支給いただくことで製作可能です。ただし、他社製のエレメントの場合、エレメントの試験データがないため、最適なエレメント本数や長さのご提案はできかねます。同材質の大同エレメントのご使用も合わせてご検討ください。最適な設計をご提案いたします。
Q:フィルタートラブルの原因調査から相談できますか?
A:はい。詰まったフィルターのサンプル・使用条件・トラブルの状況をお知らせいただければ、原因特定から解決策の提案まで対応します。まずはお気軽にご相談ください。
Q:普段は月1程度での交換頻度でしたが、今回1週間で交換差圧に到達しました。なぜでしょうか?
A:ろ過性能は運転環境に左右されます。まず、原料の変更等によって供給液中の異物濃度や粒子径の分布が変わっていないかを検証することが重要です。さらに、配管内に固着していた堆積物や菌群の膜が、流速の変化(ラインのオンオフ等)で一気に剥離・流出し、フィルターへ突発的な負荷をかけている可能性も考慮する必要があります。
Q:良いフィルターってどんなものですか?
A:ろ過効率・流動性・耐圧性・フィルターライフ(ろ過寿命)などが挙げられますが、重視される特性はご使用条件により異なります。そのため、単一の基準で一般化することはできず、フィルター設置の目的 (ろ過の目的)を明確にした選定・検討が必要です。他にも必要な基準を満たしたフィルターハウジング・カートリッジが必要とされるケースも多くあります。
例. 高圧ガス等法令・規格準拠品ハウジング(ベッセル)、食品衛生法適合のフィルターエレメント、除菌性能(LRV値)要求性能、完全性能試験等保証済のフィルターエレメントなどは全て大同工機で扱っております。お気軽にお問い合わせください。
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